EC運営代行とは?委託範囲と費用相場をわかりやすく解説

EC運営代行は、EC事業を安定的に伸ばしたい企業にとって最も効果的な選択肢の一つです。
EC事業を運営していくには、商品登録・在庫管理・受注処理・顧客対応・SNS更新・広告運用・レポート作成といった膨大なタスクを毎日正確かつ継続的に回す必要があります。しかし、多くの企業では、以下のような課題を抱えています。
「EC担当1名に業務が集中する」
「本業(商品企画・戦略)に時間が割けない」
こうした状況を解決する手段としてEC運営代行への注目が高まっています。
本記事では、EC運営代行の仕組み・委託できる範囲や費用相場、さらに選び方のコツも含め、初めての方にも分かりやすく解説していきます。
目次[非表示]
EC運営代行とは?まず押さえておくべき基本
EC運営代行とは、ECサイトの運営に必要な「日々の実務」を専門チームに委託するサービスです。
商品登録・受注処理・在庫管理・カスタマー対応・SNS更新・広告運用など、EC事業を継続的に回すために必要な業務を外部のプロが代行します。
多くの企業で見られるように、EC担当者1名が複数業務を抱え込むと、更新遅延や顧客対応の品質低下、属人化による運用リスクが発生しやすくなります。
こうした課題を解決し、安定した売上基盤を作るために「EC運営代行」が活用されています。
BPO(業務プロセスアウトソーシング)との違い
EC運営代行は「EC特化型BPO」と表現されることがありますが、一般的なBPOとは目的と範囲が異なります。
BPO
企業全体の業務効率化を目的に、バックオフィス業務を外部委託する枠組み
例:経理、人事、コールセンター、総務などEC運営代行
EC運営に特化した専門オペレーションを代行するサービス
例:商品ページ制作、受注処理、モール運用、カスタマー対応など
EC運営は、モール仕様・CRM運用・顧客導線設計など専門性が高く、一般的なBPOでは対応が難しいケースも多いため、外部専門性を活用した「EC専業の代行」が有効な手段として検討されます。
出典:中小企業庁『2025年版「中小企業白書」全文』
ECコンサルとの違い
EC運営代行とよく比較されるのが「ECコンサル」です。両者は目的が大きく異なり、EC運営代行は日々の実務を代行するサービス、ECコンサルは事業成長のための戦略立案を支援するサービス というように、役割が明確に分かれています。
EC運営代行
実務を代行するサービス
例:商品登録、画像加工、受注処理、広告運用、SNS更新などECコンサル
事業全体の戦略づくりを支援するサービス
例:KPI設計、集客戦略、CRM戦略、サイト改善方針など
企業のフェーズによっては両方が必要ですが、今回のテーマである「EC運営代行」は、とくに 属人化・人手不足の解消に直結する領域と覚えておくとよいでしょう。
EC運営代行で任せられる業務範囲
EC運営代行では、ECサイトを日々運営するために必要な実務を幅広く委託できます。
属人化しやすい日次運用から、煩雑になりがちなバックオフィス業務、さらには広告運用やSNS更新といったマーケティング領域まで、企業の課題に合わせて柔軟に外部へ委託できる点が特徴です。
ここでは、代表的な3つの業務領域についてわかりやすく整理します。
日次業務(商品登録、在庫管理、受注処理、カスタマー対応など)
EC運営でもっとも負荷が高く、担当者1名に集中しがちなのが日次運用業務です。
作業量が多い一方、スピードと正確性が求められるため、外部委託によって大きく効率化できる領域でもあります。
商品登録・更新
商品説明文作成、画像加工・差し替えカテゴリ設定・タグ設定、モール仕様(楽天/Amazon/ヤフー)への最適化、など在庫管理
入荷登録(在庫数としての反映)、SKU管理、倉庫側との在庫連携、など受注処理
注文確認、入金チェック、出荷指示・配送番号登録、返品・交換対応、などカスタマーサポート(CS)
メール対応、チャット・お問い合わせフォーム、クレーム対応の一次受け、よくある質問のナレッジ化、など
EC運営では、商品登録の精度や受注処理のスピード、顧客対応の品質といった日々の運用精度が売上やレビュー評価に直結します。
こうした細かな業務を正確・迅速・継続的に実行できる体制を専門家に委託できる点は、運営代行を利用する大きなメリットです。
マーケティング運用(広告運用サポート・SNS更新など)
EC運営代行は作業代行だけでなく、「売上を伸ばすための運用サポート」を行うケースも増えています。
一般的には、以下のようなマーケティング活動を支援できます。
広告運用サポート
- 各種web広告、各種SNS広告の運用補助、広告レポートの簡易分析など
- 本格的な戦略立案は「ECコンサル」の領域ですが、出稿作業やレポート作成などの実務部分は運営代行で対応可能です。
SNS更新
Instagram投稿、X(旧Twitter)の更新、ストーリーズ・リール用素材の作成、キャンペーン告知やレビュー紹介
SNS運用は継続が重要なため、担当者の負担軽減に効果的です。
CRM・リピート施策の実務支援
メルマガ配信、LINE配信、顧客セグメントごとの配信設定、クーポン・キャンペーン設定
EC運営のマーケティング領域は、代行会社によって得意分野やスキルが異なり、ECコンサルの領域となる場合もあります。
ただし、広告の実務作業やSNS更新などは運営代行で十分に対応できるため、小規模チームの運用負荷を大きく下げられる点が、EC運営代行へ委託するメリットの一つといえるでしょう。
バックオフィス業務(伝票処理・レポート作成など)
表に見えづらいものの、EC担当者の負荷を最も圧迫するのがバックオフィス業務です。
EC運営代行には、時間を奪われがちなルーティン作業をまとめて任せられます。
伝票処理
請求書作成、モールごとの精算処理、各委託先との事務連携、などレポート作成
週次・月次レポート、売上集計表の更新、KPI作成や入力、モール広告の簡易分析、など
特に EC初心者企業や人員不足の企業からは、「レポート作成だけでもEC運営代行を活用したい」という相談が非常に多い領域です。
EC運営代行の検討では、「どの作業を外部化すべきか」だけでなく、経営層にとっては 人件費と外注費をどう最適化するか という視点も欠かせません。
これから紹介する料金体系を把握しておくことで、自社運営とのコスト比較や、外部化の投資判断がしやすくなります。
ECコンサルについて、詳しくはこちらの記事もお読みください。
EC運営代行の料金体系と費用相場
EC運営代行の費用は、依頼する範囲・作業量・対応チャネルによって大きく変わります。ここでは、代表的な料金体系と相場感を整理します。
定額制(月額費用型)
もっとも一般的なモデルで、月額固定料金で運用業務をまとめて依頼する方式です。
規模 | 月商の目安 | 料金相場 |
小規模EC | 100〜300万円 | 10〜30万円 |
中規模EC | 300〜1,000万円 | 30〜80万円 |
大規模EC | 1,000万円以上 | 80〜150万円以上 |
小売・メーカー企業では「担当者1人では回しきれない部分を外部化」する目的で選ばれるケースが多く、費用予測がしやすいメリットがあります。
成果報酬型(売上歩合、KPI連動)
売上や成果指標に応じて報酬が決まる方式です。
種類 | 相場 |
売上歩合 | 3〜10% |
KPI連動 | 新規獲得数・広告効果などに応じ加算 |
モール型ECと相性がよく、「成果が出た分だけ支払いたい」企業に適しています。
ただし、委託範囲が限定されるケースも多く、定額制のように細かい業務は含まれないことがあるため、業務内容に注意が必要です。
初期費用+運用費(ハイブリッド型)
サイト構築やページ改善など「初期の制作費」+「運用費」を組み合わせる方式です。
項目 | 相場 |
初期費用 | 10〜50万円 |
運用費 | 20〜80万円/月 |
制作会社・広告代理店系の代行会社に多く、「リニューアルしたい」「立ち上げと運用をまとめて任せたい」といった企業に向いています。
EC運営代行の費用は、任せる範囲や業務量によって大きく変わりますが、一般的には以下のような目安となります。
最小構成なら月約10万円〜
商品登録や受注処理を含む標準的な運用代行は月約30〜60万
在庫管理・CS・広告運用までを一括で依頼する場合は月約80〜150万円以上
ただし、実際の費用は依頼する業務範囲やSKU数、対応頻度によって変動するため、相見積もりの際には作業範囲・対応頻度・SLA(サービス品質保証)の3点を必ず確認することが重要です。
特にEC運営は、細かな日次業務の量に比例して工数が大きく変わるため、事前の条件整理が費用を正しく比較するうえで欠かせません。
また、外注費は人件費と異なり必要な業務だけ柔軟に増減できる変動コストとして扱える点も、経営判断の大きなメリットです。担当者の負荷や繁忙期の波動に合わせて体制を調整できるため、固定費を抑えつつ売上機会を逃さない運営が可能になります。
※なお、本記事で紹介している金額はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は依頼内容やSKU数、対応頻度、業務の複雑さによって大きく変動しますので、予めご容赦ください。
EC運営代行を導入するメリット・デメリットと注意点
ここでは、EC運営代行を導入する際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理します。
さらに、委託先を選ぶうえでの注意点もあわせて解説するため、自社の状況に合った判断をするための基準としてご活用ください。
メリットは「コスト削減」「人材不足の解消」「本業への集中」
EC運営代行の最大のメリットは、運営に必要な専門スキルをすぐに外部から確保できる点です。
商品登録・受注処理・広告運用といった実務を任せることで担当者の負荷が軽減され、商品企画や販売戦略など、本来注力すべきコア業務に時間を割けるようになります。
また、繁忙期や突発的な注文増にも柔軟に対応でき、機会損失を防ぎながら安定した運営体制を構築できる点も大きな利点です。
デメリットは「品質のばらつき」「情報共有不足」「ノウハウの蓄積」
EC運営代行には、委託先によって作業品質に差が出る可能性があります。社内との情報共有が不足すると在庫反映の遅れや顧客対応の齟齬につながることもあります。
また、外部に依存しすぎると自社にノウハウが蓄積されず、担当者が変わった際に運用がブラックボックス化するリスクもあります。
EC運営代行の選び方と注意点
こうしたデメリットを避けるためには、委託先のスキル・品質・体制を慎重に見極める必要があります。特に以下のポイントは選定時に必ず確認しておきましょう。
業務範囲とSLA(サービス品質保証)の明確化
実績・得意分野(モール系/自社EC/CRM領域など)
契約形態とコミュニケーション体制の整備
これらを事前に整理しておくことで、外部依存によるリスクを抑えつつ、運営代行の効果を最大限引き出すことができます。
EC運営代行と併せて検討したいサービス
EC事業を継続的に成長させるためには、運営代行だけでなく、「戦略づくり」や「バックオフィスの効率化」といった周辺領域の強化が必要になる場合もあります。
事業全体の方向性やKPI設計を見直したい場合はECコンサルを、受注処理や事務作業をまとめて最適化したい場合はBPOの活用を検討するとよいでしょう。
詳しい内容は、関連リンク先の記事で解説しています。
ECコンサルについて
BPOについて
まとめ:EC運営代行は「費用感+範囲の見極め」がカギ
EC運営代行は、人手不足・属人化・更新遅延などの課題を解決し、EC事業を安定的に成長させるための強力な選択肢です。
成功のポイントをまとめると次の3つです。
- 自社で担う業務と任せる業務を仕分けること
- 費用相場を理解し、適切な料金体系を選ぶこと
- SLA・業務範囲・実績の3点を比較して委託先を選ぶこと
「どこまで委託すべきか」「どれくらいの予算が必要か」など、検討段階の悩みは、まず専門家に相談することで明確になります。
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