EC事業とは? 基本の意味と仕組みをわかりやすく解説

EC事業とは、インターネットを通じて商品やサービスを販売するビジネス形態であり、今や企業・個人を問わず多くの事業者にとって重要な販路の一つです。
本記事では、EC事業の基本的な定義や種類、業務内容など、初めての方にもわかりやすく丁寧に解説します。
「ECに参入すべきか」「どのようなモデルが自社に適しているか」など、これからEC事業を検討される皆様の判断材料となることを目指し、実務に役立つ知識と視点をお届けします。
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EC事業の読み方と正式な定義
EC事業は、「電子商取引(Electronic Commerce)」の略称で、インターネット上で商品やサービスを売買するすべてのビジネス活動を指します。
BtoC型のネットショップからBtoB取引、D2Cや越境ECまで、その形態は年々多様化しています。
企業にとって新たな収益源として注目されるだけでなく、副業や個人ビジネスとしても広がっています。
ここでは、EC事業の定義・種類・市場動向やトレンドなどを解説します。
EC事業の定義
EC事業とは、インターネットを通じて商品・サービスを販売・提供・決済するビジネス活動全般を指します。
具体的には、以下のような取引形態が含まれます。
BtoC(企業 → 一般消費者):アパレルや食品、日用品などを販売するオンラインショップなど
BtoB(企業 → 企業):業務用製品や部材などのオンライン発注・取引など
CtoC(個人間取引):フリマアプリやオークションサイトでの売買など
D2C(Direct to Consumer):メーカーが仲介業者を通さず、直接消費者に販売
越境EC:国境を越えたEC取引(海外向け販売)
これらはすべて「EC事業」の範疇に含まれ、単なるネットショップ運営にとどまらず、デジタル販売戦略全般を担う重要なビジネス領域となっています。
ECサイト販売の種類などについて詳しくは、こちらの記事をお読みください。
ECサイト販売の基本と導入ステップをわかりやすく解説
ネットビジネスとEコマース(EC)の違い
ECは「販売」に特化したネットビジネスの一種です。広告収益型や情報提供型など、他のネットビジネスとは目的や手法が異なります。
「ネットビジネス」は、インターネットを活用して収益を得る全般的なビジネス形態を指します。
一方で、「EC(Eコマース)」はその中でも特に「商品やサービスの販売」に特化したビジネス形態です。
例えば、以下のように分類できます。
種類 | 説明 | 例 |
EC(Eコマース) | 商品やサービスの売買を行う | ネットショップ、サブスク販売、ダウンロード教材など |
ネット広告型 | 広告収入で収益を得る | ブログ運営、YouTube収益など |
アフィリエイト型 | 紹介手数料で収益を得る | 商品レビューサイト、リンク経由の購入 |
EC事業者の仕事内容・役割と業務の全体像
EC事業は、その形態を理解することで、自社に合った戦略を立てやすくなります。
分類の基本軸は大きく分けて2つあり、一つ目は「誰に売るか」という取引先の違い(BtoB=企業間取引、BtoC=個人向け販売など)、二つ目は「何を売るか」という提供内容の違い(物販型、サービス提供型など)です。
この2軸の組み合わせにより、さまざまなビジネスモデルが存在し、それぞれ異なる戦略や運営方法が求められます。
主要分類とそれぞれの特徴
取引先による分類
BtoB(Business to Business):企業間での商品・サービス取引(例:部品販売、卸売EC)
BtoC(Business to Consumer):企業が一般消費者向けに販売(例:アパレルEC、食品EC)
取扱商材による分類
物販型EC:有形商品を販売する。物流管理が重要(例:家電、日用品)
サービス型EC:無形サービスをオンラインで提供(例:語学レッスン、チケット販売)
その他、CtoC(Consumer to Consumer)と呼ばれる、消費者同士での売買(例:フリマアプリ)や、D2C(Direct to Consumer)製造者が直接消費者に販売(例:オリジナル化粧品ブランド)などがあります。
このように、自社の目的やリソースに応じて、適切なEC事業モデルを選択することが重要です。
EC事業の体制と役割分担の基本
ECサイト運営には、複数の専門的な役割が関わります。本章では、実務を担う担当者の役割を「戦略」「制作」「運用」「支援」に分類し、業務を俯瞰して把握できるように解説します。
戦略・統括:事業責任者・ECマネージャー
事業全体の方向性を決定し、売上・KPIを管理するリーダー層
制作・販売促進:コンテンツ担当・マーケ担当
商品ページ制作・販促施策・広告運用などを担う実務部門
運用・顧客対応:CS・受注処理担当
日々の注文対応や顧客とのコミュニケーションを行うポジション
支援・インフラ整備:システム・物流・在庫管理
バックヤード業務やツール管理、物流連携などを担当。
各職種ごとの具体的な作業内容はこちらの記事をご参照ください。
ECサイト運営の基本的な業務フローと必要なスキル
BPOとは? BPOの意味と活用ポイントをわかりやすく解説
属人化を避け、業務ごとに役割を明確化することは、効率的かつ安定した運営に不可欠です。とはいえ、すべてを社内で完結するのは現実的ではない場面もあります。
そこで次は、事業フェーズごとにどのくらいの体制構築が必要なのか、確認していきましょう。
売上規模別にみるEC事業の体制目安
EC事業に必要な人員や役割は、年商規模によって大きく変わります。
以下の早見表では、典型的な体制イメージを整理しました。あくまで一般的な目安であり、商材・販売チャネル・利益率によって変動します。
年商規模 | 体制の目安 | 主な役割 | 外部委託しやすい業務 |
〜1億円 | 少数精鋭・兼務型(1〜2名) | 責任者兼マーケ、受注・CS兼務 | 商品撮影、バナー制作、物流一部 |
1〜10億円 | 機能分化型(3〜6名) | ECマネージャー、広告・CRM担当、制作、CS | 広告運用、LP制作、CSの一部BPO |
10億円以上 | 専門職フル体制(7名〜) | 事業責任者、MD、広告/CRM、制作、在庫・物流、データ分析 | クリエイティブ量産、越境対応、OMO施策 |
売上規模ごとの体制はあくまで目安にすぎず、実際の事業では自社の強みやリソース状況に応じた柔軟な判断が欠かせません。
次は、規模の変化に合わせて「どこまでを内製し、どこを外部に委託すべきか」というリソース配分の考え方を解説します。
EC事業の成長に合わせた柔軟なリソース活用法
社内の力だけでは限界がくることも。EC事業を継続的に成長させていくためには、自社の状況やフェーズに応じて、外部委託や支援ツールの活用を取り入れた体制づくりが重要です。
ここでは内製と外注の適性を軸に、リソース判断の基本方針を解説します。
社内で内製すべき業務とは?
EC事業において自社の強みを発揮すべき領域は、次のような戦略性が高い業務です。
ブランディング・商品コンセプト設計
どんな商品をどう見せるかは、事業の根幹に関わる部分。
ターゲット層や価格帯、訴求軸などを一貫したブランド方針に基づいて整える作業は、自社の理念や戦略を理解している担当者が担うべきです。
商品選定やラインナップ戦略
競合との差別化や、利益率・在庫回転を考慮した商品構成の最適化も、自社ならではの判断が必要となる部分です。
販促企画・クリエイティブ制作のディレクション
季節ごとのキャンペーンや、SNSと連動したプロモーションなど、ブランドのトーン&マナーを保った上での企画立案・ディレクションは、社内主導が適しています。
つまり、事業の方向性を左右する意思決定が絡む業務は、なるべく社内での実行体制を整えておくことが重要です。
外注・BPOに向いている業務とは?
一方で、業務量が多く、ルール化・マニュアル化しやすい業務は、外注や業務委託(BPO)との相性が良いとされています。
受注処理・伝票発行
在庫データ入力・チェック
出荷指示・発送管理
カスタマーサポート(メール・電話対応)
定例レポートの作成(定型フォーマットありの場合)
これらは日々のルーチンワークであることが多く、業務フローや対応マニュアルが整っていれば、外部パートナーでも一定品質で再現可能です。
また、繁忙期のみのスポット委託や、営業時間外の対応など、自社リソースだけではカバーしきれないタイミングで、外注は非常に有効な手段となります。
外注やBPOに関する詳細は、こちらの記事をお読みください。
ECサイト運営の基本的な業務フローと必要なスキル
BPOとは? BPOの意味と活用ポイントをわかりやすく解説
担当者不在のリスクと、標準化による対策
EC運営では「1人が複数業務を兼任する」ケースも少なくありませんが、属人化が進むと以下のようなリスクが生じます。
担当者の急な休職・退職で業務が止まる
特定の人しかわからない業務が存在する
マニュアルがなく、引き継ぎに時間がかかる
こうしたリスクを回避するには、業務の標準化・共有化が不可欠です。
手順書やマニュアルの整備
クラウドツールによる情報共有
業務の分担とサポート体制の構築
代替可能なチーム体制の整備
特に小規模チームでは「1人が休むと全部止まる」状況に陥りがちですが、定型業務はBPO化+属人化排除を進めることで、柔軟で持続可能なEC体制を構築できます。
効果的なリソース活用は、日々の業務の質を高めるだけでなく、事業の成長を支える「しなやかな体制づくり」にもつながります。では、これからEC事業を始めたいと考えた場合、どのような準備や段取りが必要になるのでしょうか。
EC事業立ち上げのステップと必要な手順
EC事業を成功させる第一歩は「誰に」「何を」「どう届けるか」を明確にすること。ターゲット層・提供価値・収益構造などを整理することで、無駄な投資や迷走を防げます。
ここでは、簡単にECサイト立ち上げの一般的な手順を解説します。
コンセプト設計・ビジネスモデル策定に重要な6つのポイント
1.コンセプト設計・ビジネスモデル策定の重要性
誰に、どのような価値を、どう届けるか、ターゲット層・商品設計・収益構造を明確にし、戦略のブレを防ぎます。
2.ECサイト構築方法を決める(自社/モール/プラットフォーム比較)
自社で構築するか、楽天やAmazonなどのモールを活用するか、あるいはShopifyやBASEといったツールを使うか。費用・自由度・集客方法の違いを把握した上で選択が必要です。
3.必要な費用・期間・ツールの選定方法
初期投資や月額コストを見積もり、コストパフォーマンスに優れたツール・外部サービスを選定することが成功のカギです。
4.出店・出品・開業までの流れとスケジュール感
事業計画から販売開始までは、最短1ヶ月〜3ヶ月程度が目安。商品準備・撮影・ページ作成・決済設定など、やるべきことは多岐にわたります。
5.運用開始後の集客・プロモーション施策例
運営開始後は「知ってもらう」ことが最優先。SNS、広告、メルマガ、SEOなど、ターゲットに応じた集客施策を段階的に導入しましょう。
6.物流管理・注文処理・顧客対応体制の整備
受注が増えるほど、出荷・在庫・カスタマー対応の効率化がカギになります。自社運用か、外部委託かも初期段階で検討を。
立ち上げ時の設計と準備が、EC事業の成否を左右します。目的に合った構築方法と体制を選び、無理のない形で始めましょう。
EC事業の立ち上げは「設計」と「選択」がカギ
EC事業を成功に導くには、「なんとなく始める」のではなく、しっかりとした設計と選択が欠かせません。
誰に・何を・どう届けるかを明確にしたコンセプト設計を土台に、販売チャネル(自社サイト/モール/ツール)や必要なリソースを見極めていくことで、ムダのない立ち上げが実現できます。
開業準備には、商品撮影・ページ作成・決済設定など多岐にわたる作業があるため、スケジュールを逆算した準備が肝心です。また、立ち上げ後すぐに集客ができるよう、プロモーション施策も同時進行で整えておきましょう。
注文やお問い合わせが発生し始めた後は、物流・受注・顧客対応といった運用体制の整備も重要です。成長フェーズに応じて「どこまで自社で対応するか」「どこを外部に任せるか」の判断も、事業の信頼性と持続性を左右します。
一つひとつの意思決定が、将来のコストや業務効率に直結します。だからこそ、立ち上げ前の慎重な検討と準備が、安定したEC事業の第一歩です。
『オンサイト株式会社』では、立ち上げから運用まで一貫して支援しています。
「これで本当に立ち上げられるのか不安…」という企業のみなさまへ。
EC事業には、乗り越えるべき壁がいくつもあります。
だからこそ、最初の一歩から「相談できるパートナー」がいることで、大きな差が生まれます。まずはお気軽にご連絡ください。
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