ECサイト販売の基本と導入ステップをわかりやすく解説

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ECサイト販売とは、インターネット上で商品やサービスを販売する仕組みのこと。個人や中小企業でも始めやすくなったことで、注目が高まっています。

本記事では、EC販売の意味や読み方から、仕組み・種類・始め方・活用事例まで、わかりやすく解説します。

「EC販売とは何か」「ネットショップとの違いは何か」といった基本的な疑問を整理し、自社にとって最適な販売戦略を考えるヒントとしてご活用ください。

目次[非表示]

  1. 1.ECサイト販売とは?基礎知識と読み方を解説
    1. 1.1.EC販売とネット販売の違い
    2. 1.2.市場規模と今後の成長性
  2. 2.ECサイト販売の種類と代表的なビジネスモデル
    1. 2.1.自社ECとモール型ECの違い
    2. 2.2.D2C・越境ECなどの新しい展開モデル
    3. 2.3.事業別合ったECサイトのタイプ
  3. 3.ECサイト販売のメリットと注意点
    1. 3.1.販路拡大・コスト削減
    2. 3.2.集客・運用・競争激化
    3. 3.3.実店舗や通販との違い・連携
  4. 4.ECサイトは「選ばれる理由」を明確にして活用を

ECサイト販売とは?基礎知識と読み方を解説

EC(Electronic Commerce)は、インターネットなどの電子的な手段を用いて商品やサービスを売買する仕組み全体を指します。

これに対して「ネット販売」は、ECの一部であり、より具体的にインターネット上で商品を売る行為にフォーカスした言葉です。

例えば、企業がEDI(電子データ交換)を活用して法人向けに商品を販売するケースもECに該当しますが、ネット販売とはいいません。

一方、個人事業主が自社サイトやモールに出品して販売するのは、ネット販売にもECにも含まれる行為です。

つまり、EC販売はより広義の概念であり、ネット販売はそのなかの一つの手段といえるでしょう。

EC販売とネット販売の違い

ネットショップは、インターネット上に開設された「仮想の店舗」です。

例えば、実店舗が「街中の商店街にある八百屋さん」だとすれば、ネットショップは「ネット上の商店街にあるお店」といったイメージをするとわかりやすいでしょう。

店舗の営業時間や立地に制限される実店舗に比べて、ネットショップは24時間365日営業が可能。場所にとらわれず、遠方の顧客にもアプローチできるため、販路拡大の手段として非常に有効です。

また、ネットショップには以下のような特長があります。

  • 実店舗に比べて初期費用・運営コストが抑えられる

  • 商品数や在庫状況をオンラインで管理・更新できる

  • SNS・広告と連携して集客やプロモーションの自由度が高い

  • 顧客の行動データをもとに改善施策を打ちやすい

このように、ネットショップはEC販売の中でもっとも一般的かつ導入しやすい手段であり、個人事業主から中小企業まで幅広く活用されています。

市場規模と今後の成長性

ここ数年、EC市場はコロナ禍による巣ごもり需要で急拡大しましたが、それ以降もそのトレンドは継続しています。2024年には、BtoC-EC市場規模は24.8兆円と前年比約9.2%の成長、さらにBtoB-EC市場では前年比約10.7%増の465.2兆円に達するなど、業界全体が力強い成長を続けています。

物販系分野が好調で、食品・日用品・アパレルといったジャンルが好調で前年比4.83%。特にサービス系分野での前年比は好調で22.27%ともっとも高く顕著な伸びを示しています。これはコロナ禍で落ち込んでいた旅行サービスやチケット販売の復活が大きな割合を占めていると考えられます。

今後も少子高齢化による「非対面購買」のニーズ拡大や、地方企業の販路拡大手段としての活用などを背景に、EC市場はさらに成長すると予測されています。

また、生成AIや自動化ツールの活用によって、少人数で効率よく運営できる仕組みが整ってきていることも、参入のハードルを下げています。

出典:経済産業省『令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました

ECサイト販売の種類と代表的なビジネスモデル

ECサイト販売には「自社EC」と「モール型EC」があり、ブランド育成や集客力に応じて選択が必要です。

近年はD2C・越境EC・サブスク型など多様なモデルも登場しており、事業の特性に合った形態を選ぶことが成功のカギとなります。

自社ECとモール型ECの違い

ECサイト販売を始める際、多くの事業者がまず悩むのが「自社ECにするか、モール型ECに出店するか」という選択です。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的やリソースに合わせて選ぶことが大切です。

▼自社ECとモール型ECの違い

比較項目

自社ECサイト

モール型EC(楽天・Amazonなど)

集客

自社で行う必要がある

モールの集客力を活用できる

手数料

基本的に発生しない(システム利用料などは除く)

モール側に販売手数料が必要

デザイン

自由に設計可能

モールのテンプレートに準拠

ブランド育成

ブランドの世界観を表現しやすい

モール内での差別化が必要

売上スピード

初動は遅いことも

(モール側の集客力により)出品直後でも売上につながる可能性が高い

例えば、ブランディングを重視する企業や、独自の世界観を持つ商品を扱う場合は「自社EC」が適しています。一方で、初期の売上確保や集客のしやすさを重視する場合は「モール型EC」が有力です。

※上記は代表的な特徴を整理したものであり、実際の成果は商材ジャンルや競合状況、運用体制などにより異なります。

D2C・越境ECなどの新しい展開モデル

近年、EC市場の広がりとともに、新しい販売スタイルも注目されています。

D2C(Direct to Consumer)

メーカーやブランドが仲介業者を通さずに、消費者へ直接販売するモデルです。自社ECとの親和性が高く、顧客の声をダイレクトに反映した商品開発が可能となるため、ファンの獲得やリピーター育成にも強みがあります。

  • 例:化粧品・アパレル・食品など、ブランド力を活かした展開がしやすい業種

越境EC

海外向けに商品を販売するECモデルで、国内市場に限らず世界中の消費者をターゲットにできます。特に、日本製品の品質や文化に対する海外からの関心が高く、英語・中国語対応や国際配送体制の整備が進む中で導入しやすくなっています。

  • 例:伝統工芸品、アニメグッズ、日本製コスメ・健康食品など

サブスクリプションEC(定期販売)

定期的に商品を届ける「サブスク型」モデルも増加中。食品・日用品・衣類など、「毎月・隔月での利用」が見込まれる商材と相性が良く、安定収益化・LTV向上にもつながります。

事業別合ったECサイトのタイプ

自社の業種や商品特性によって、適したECサイトのタイプは異なります。以下は一例です。

事業形態

向いているECモデル

理由

自社ブランド・メーカー系

自社EC/D2C

ブランド世界観を重視し、ファン層に訴求しやすい

小売・仕入れ販売系

モール型EC

商品数が多く、価格競争力が求められる業態と相性◎

地域特産・ローカル商品

自社EC/越境EC

ストーリー性や地域性が差別化要素になりやすい

日用品・リピート商材

サブスクEC

一度の獲得で継続収益が見込める

ECサイト販売のメリットと注意点

ECサイト販売は、地理や時間の制約を超えて販路を拡大できるほか、実店舗に比べて初期費用や運用コストを抑えやすい点が大きな魅力です。

ここでは、ECサイト販売における具体的なメリットと注意点を解説します。

なお、ECは始めやすい一方で、集客や継続的な運用にはノウハウやリソースが不可欠です。競争の激化や価格競争に巻き込まれるリスクもあるため、実店舗やカタログ通販と組み合わせたハイブリッド運用など、差別化の工夫も求められます。

販路拡大・コスト削減

ECサイトは、インターネット上で商品を販売できるため、地域を問わず全国・海外への販路拡大が可能です。実店舗では難しい、遠方の顧客への販売や深夜・早朝など時間を気にしない購買行動にも対応できるのが大きな強みです。

また、店舗を構えるためのテナント賃料や人件費などの固定費を削減できる点も、コストメリットとして注目されています。特にスタートアップや中小企業にとっては、限られた予算でも事業をスモールスタートしやすい環境が整っているといえるでしょう。

集客・運用・競争激化

ECサイトを立ち上げただけでは売上につながらないという課題もあります。

Web広告やSNS運用、SEO対策などを通じた集客施策が欠かせず、こうしたマーケティングに関する知識や継続的な運用体制が求められます。

さらに、人気ジャンルでは競合も多く、価格競争や差別化に苦戦するケースも少なくありません。安易に値下げに走ると利益率が低下し、事業として成立しにくくなるため、商品の独自性やブランド力を高める工夫も重要です。

実店舗や通販との違い・連携

ECサイトは、「商品を実際に手に取れない」「接客ができない」といった点で、実店舗とは異なる運営上の特性があります。

ユーザーとの接点がオンラインに限定されるため、写真・説明文・レビューなどで信頼感や購買意欲を高める工夫が必要です。

また、従来のカタログ通販などと異なり、ECでは購入データやアクセスデータをリアルタイムに分析し、商品改善や販促施策に活かすことができます。

近年では、実店舗との在庫連携や「オンライン注文→店舗受け取り」といったOMO(Online Merges with Offline)の動きも進んでおり、単独ではなく複数の販売チャネルを組み合わせることが競争力につながっています。

ECサイトは「選ばれる理由」を明確にして活用を

ECサイト販売は、実店舗に比べて販路拡大・コスト削減などの利点があり、スタートアップや中小企業にとっても挑戦しやすいビジネスモデルです。しかし「出せば売れる」わけではなく、集客・運用・競合対応など、事前の設計と継続的な改善が欠かせません。

ECで成果を出すには、「なぜ選ばれるのか」=独自の強みや価値を見える化することが重要です。
実店舗や他販路との連携を含めて、自社にとって最適な販売体制を構築することが、持続可能なEC運営への第一歩となります。

とはいえ、初期のサイト構築や商品登録、受注管理、集客施策など、慣れない業務に手が取られて「本業に集中できない」という声も少なくありません。

オンサイト株式会社』では、ECサイトの立ち上げ支援から運営代行・業務設計まで一貫してサポートしています。

「最初に何から手をつけるべきか相談したい」「運営の一部だけ任せたい」といった段階からでも対応可能です。ECサイト販売にチャレンジしたい方は、ぜひお気軽にオンサイトへご相談ください。

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