BPOサービスの「4つの業務カテゴリ」に学ぶ〜 自社に最適な外部委託のコツ〜

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BPOサービスとは、企業が限られた人員で多様な業務を抱える中で、「どこまでを自社で担い、どこからを外部に委ねるべきか」を判断するための有効な選択肢です。

単なる作業代行ではなく、業務プロセスそのものを見直し、設計・最適化したうえで委託できる点に大きな特徴があります。

こうした背景から、BPOサービスは業務効率化や体制強化を図りたい企業にとって重要度が高まっています。

本記事では、BPOサービスを依頼できる業務の特徴を 「4つの業務カテゴリ」 に分け、具体的なシーンを交えながら、自社に最適な外部委託の考え方をわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.BPOの基本と「アウトソーシング」との違い
  2. 2.BPOサービスが広がる背景
    1. 2.1.人手不足と専門人材の確保難
    2. 2.2.DX推進と業務効率化ニーズの高まり
    3. 2.3.経営資源の再配置(コア業務への集中)
  3. 3.「BPOサービス」4つの業務カテゴリ
    1. 3.1.1.バックオフィス関連(経理・人事・総務など)
    2. 3.2.2.カスタマーサクセス関連(コールセンター、チャット対応など)
    3. 3.3.3.EC・マーケティング関連(商品登録、広告運用補助、SNS更新など)
    4. 3.4.4.データ処理関連(入力、分析、レポーティング)
  4. 4.BPOサービスは「任せる領域の見極め」が成果を左右する
  5. 5.BPOサービスのシーン別、活用方法
    1. 5.1.【経理・総務シーン】請求処理や人事業務の負荷を軽減
    2. 5.2.【顧客対応シーン】問い合わせ対応・コールセンター業務の質と速度を安定化
    3. 5.3.【EC事業シーン】商品登録・在庫更新・レビュー管理を安定運用
    4. 5.4.【マーケティングシーン】広告運用補助・SNS投稿・レポート作成を効率化
  6. 6.BPOサービスの料金体系と費用相場
    1. 6.1.料金体系①:定額制(月額契約)
    2. 6.2.料金体系②:成果報酬型(件数・成果連動)
    3. 6.3.料金体系③:初期費用+運用費(ハイブリッド型)
    4. 6.4.費用相場(目安)
  7. 7.まとめ:BPOサービスは「任せる範囲の見極め」と小さな開始がカギ

BPOの基本と「アウトソーシング」との違い

BPO(Business Process Outsourcing) とは、企業の業務プロセスを外部に委託し、運用だけでなく業務設計・標準化・改善までを含めて任せられる仕組みです。

一方、よく比較されるアウトソーシング は、作業単位での外注が中心であり、プロセスそのものを最適化するところまでは踏み込まないのが一般的です。

BPOについてはこちらの記事もお読みください。

BPOサービスが広がる背景

近年、BPOサービスが幅広い企業で導入されている背景には、次のような環境変化があります。

人手不足と専門人材の確保難

中小企業を中心に採用難やスキル不足が深刻化し、日々の事務作業が現場を圧迫しています。

BPOはこうした「リソース不足」をすぐに補える選択肢として需要が急増しています。

DX推進と業務効率化ニーズの高まり

2025年版中小企業白書でも、DXに取り組む企業ほど効率化・コスト削減・売上向上といった効果を実感していると報告されています。

こうした流れを背景に、BPOも属人化の解消・標準化・プロセス改善を進めるDX施策の一環として活用が広がっています。

経営資源の再配置(コア業務への集中)

アウトソーシング導入企業の多くが、「人件費の最適化」、「専門業務外部化による負担軽減」「本業への集中」の効果を実感しています。

BPOは、単にコストを減らすためだけではなく、「限られた人員・予算を、より重要な業務に投下するための経営戦略」として活用されるケースが増えています。

出典:中小企業庁『2025年版中小企業・小規模企業白書の概要』/経済産業省『産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策について

では次に、BPOサービスにはどのような種類があるのか、詳しくみていきましょう。

「BPOサービス」4つの業務カテゴリ

BPOは「作業単位で外注する」のではなく、業務プロセスの最適化も含めて外部に委託できる点が特徴的です。そのため、企業の課題や業種に応じて、さまざまな領域で柔軟に活用できます。

ここでは、代表的な4つのカテゴリに分けて、対応可能なサービス内容と企業が活用しやすいシーンを整理します。

1.バックオフィス関連(経理・人事・総務など)

バックオフィス領域は、BPOと最も相性が良い分野です。請求処理や給与計算など、ルール化・標準化しやすく、専門知識が必要な業務を外部の専門チームにより安定的に運用できる点が特徴です。

代表的な業務には、請求書発行・入金管理、会計ソフトへの仕訳入力、給与計算、勤怠管理などがあります。

バックオフィスは属人化しやすく、「担当者が変わると品質が落ちる」という課題も多い領域です。BPOを導入することで、業務品質の均一化、人件費の最適化、締め作業の安定化が実現します。

2.カスタマーサクセス関連(コールセンター、チャット対応など)

顧客対応は、対応の品質・スピード・一貫性が売上や顧客満足に直結する重要領域です。

BPOサービスでは、顧客対応に特化した専門チームがプロセス全体を引き受けるため、社内でゼロから教育する必要がなく、安定した品質をすぐに確保できます。

代表的な業務には、電話・メール・チャットでの顧客対応、FAQ更新、ナレッジ整備、返品・交換対応などがあります。

顧客対応は繁忙期やキャンペーン時に問い合わせが急増し、内製のみでは「返信遅延」「対応漏れ」「属人化」が起こりやすい領域です。

BPOサービスを活用すれば、専門のCSチームによる均一で高品質な対応が可能となり、FAQ整備などの基盤構築まで任せられるため、教育コストをかけずに安定した体制を整えられます。

3.EC・マーケティング関連(商品登録、広告運用補助、SNS更新など)

EC・デジタル領域では、更新作業の多さや専門スキルの必要性からBPO活用が年々増えています。とくにEC事業は「日々の運用が成果に直結」するため、精度の高い作業体制が欠かせません。

代表的な業務には、商品登録、画像加工、在庫更新、レビュー管理、SNS投稿作成、広告運用サポート、キャンペーン設定などがあります。

EC事業では、フロント(集客・販促)とバックエンド(在庫・出荷・顧客対応)の両側面が常に動き続けるため、担当者の兼務だけでは品質の維持が難しくなるケースも少なくありません。

そのため、業務を分業化し、標準化された再現性の高い運用を構築する目的で、BPOサービスを導入する企業が急増しています。

4.データ処理関連(入力、分析、レポーティング)

データ入力・管理・集計といった作業量が多く、ミスが業務の信頼性に直結する領域は、BPOが最も効果を発揮しやすいカテゴリです。属人化しやすい一方で、手順を標準化すれば高い再現性で運用できるため、外部委託との相性が良い業務でもあります。

代表的な業務としては、顧客情報の入力・整備、アンケート集計、ECの売上レポートや商品分析、ダッシュボード更新などが挙げられます。

データ処理では常に「正確さ」「スピード」「作業量」が課題となり、社内の兼務体制では入力漏れや集計ミスによってレポートの信頼性にばらつきが生じがちです。

BPOを活用することで、ミスの削減、処理スピードの向上、レポート品質の安定化が実現し、社内外への提出物の信頼性向上にもつながります。

BPOサービスは「任せる領域の見極め」が成果を左右する

ここまで、BPOサービスを業務カテゴリ別に整理し、外部化しやすい領域と社内で担うべき領域を確認してきました。

フロントエンド・バックエンドともに、BPOサービスと相性の良い業務がありますが、一方で自社に残すべき領域も存在します。

重要なポイントは、「どの業務を内製し、どこを外部に任せるか」この切り分けを正しく行うことです。

事業フェーズや負荷に応じて、BPOサービスとアウトソーシングを使い分けることで、標準化・スピード向上・人件費最適化といった効果を最大化できます。

ECサイト運営の基本的な業務については、こちらの記事もお読みください。

次は、BPOサービスが実際にどんな場面で使われているのか(利用シーン) を具体例で紹介します。

BPOサービスのシーン別、活用方法

BPOは「忙しい業務を外注する」だけではなく、作業内容そのものに応じて最適な場面で活用することで、現場の負荷が大きく変わる仕組みです。

ここでは、多くの企業が実際に導入している代表的な利用シーンを紹介します。自社業務のどの部分が外部化しやすいのか、イメージしながら読み進めてみてください。

【経理・総務シーン】請求処理や人事業務の負荷を軽減

経理では月末月初の請求書処理・入金確認・仕訳入力、人事では応募対応や問い合わせ返信など、実際に手を動かす細かな作業が多く、担当者の負荷が大きくなりがちです。とくに締め作業は毎月必ず発生し、属人化しやすい領域でもあります。

BPOを活用すると、次のようなメリットが得られます。

  • 請求・入金・仕訳など定型業務を標準化し、処理精度が安定する

  • 応募対応や勤怠チェックなど、人事業務の細かな負荷を削減できる

  • 繁忙月だけの部分委託など、柔軟に外部リソースを調整できる

バックオフィスは、最適化の効果が大きい分野のため、BPOとの相性が非常に良い代表領域です。

【顧客対応シーン】問い合わせ対応・コールセンター業務の質と速度を安定化

ECや小売業では、配送確認・返品依頼・商品質問などの問い合わせ量が日によって大きく変動し、社内だけでは「返信遅延」「品質のばらつき」「クレーム対応の属人化」が発生しがちです。

BPOを活用すれば、顧客対応に特化した専門チームがプロセスごと引き受け、次のような効果が得られます。

  • 繁忙期でも品質を一定に維持できる

  • (直接的な)教育コストゼロで即戦力を確保できる

  • 問い合わせログ整理・FAQ整備まで任せられる

顧客対応は専門性が求められるため、BPOの効果が最も発揮される領域の一つといえます。

【EC事業シーン】商品登録・在庫更新・レビュー管理を安定運用

EC運営では、商品登録・在庫反映・レビュー対応など、毎日発生する細かなルーティン作業が中心です。SKUが増えるほど作業量が一気に膨らむため、担当者だけで運用していると更新遅れや在庫反映ミスなど、売上に影響するトラブルが起きやすくなります。

こうした手順化しやすく、精度が求められる日次業務は、BPOと特に相性の良い領域です。外部の専任チームに委託することで、次のような効果が得られます。

  • 商品情報や在庫データを正確に維持し、販売機会ロスや誤出荷を防げる

  • 更新作業の遅延を抑え、新商品やキャンペーンの開始タイミングを確実に守れる

  • SKU増加時でも運用品質を一定に保ち、スケールに強い運用体制を構築できる

このように、プロによる高い運用品質を確保しつつ、運用の安定化と担当者の負荷軽減を同時に実現できます。

【マーケティングシーン】広告運用補助・SNS投稿・レポート作成を効率化

マーケティング業務は「戦略立案 → 施策実行 → 効果検証」のサイクルで動きますが、実際の現場では、施策実行に伴う細かな運用作業が業務時間の大半を占めがちです。

広告入稿・設定変更、予算調整、SNS投稿準備、コメント確認、レポート作成など、手間のかかる定型作業が積み重なり、担当者のリソースを圧迫します。

こうした運用工数が多く、プロセス化しやすい業務はBPOとの親和性が高い領域です。外部の専門チームを活用することで、以下のような改善が見込めます。

  • 施策実行のスピードが向上し、マーケティング施策を止めずに展開できる

  • レポートの精度と更新頻度が安定し、判断材料の質が揃う

  • 担当者が戦略立案や企画に専念できる環境が整い、成果につながる業務へ集中できる

このように、運用プロセスを切り出すことで、マーケティング全体のPDCAを止めずに回せる強固な運営体制を実現できました。

具体的な利用シーンを通して、BPOサービスがどの業務でどう役立つか、より現場レベルでイメージできたのではないでしょうか。

バックオフィスから顧客対応、EC実務、マーケティングまで活用領域は広く、それに伴い費用構造もサービスごとに大きく変わります。

次は、こうした特徴を踏まえつつ BPOサービスの料金体系と費用相場をシンプルに解説します。

BPOサービスの料金体系と費用相場

BPOサービスの費用は、委託範囲・業務量・専門性によって大きく変わりますが、料金体系は大きく以下の3種類に分かれます。

料金体系①:定額制(月額契約)

毎月決まった量の業務を委託する方式です。業務フローが安定している企業、継続的に任せたい業務に向いています。

例:月20〜40時間の業務を定額で依頼できるパッケージ など

料金体系②:成果報酬型(件数・成果連動)

処理した件数や成果に応じて料金が発生する方式です。「受注処理の件数」「問い合わせ対応件数」など波動がある業務に適しています。

料金体系③:初期費用+運用費(ハイブリッド型)

最初に業務設計・マニュアル整備などの初期費用がかかり、その後は月額で運用する方式。

業務標準化やプロセス構築を含めて任せたい企業に用いられます。

費用相場(目安)

あくまで参考値ですが、一般的には事業規模別に次のレンジが多く見られます。

  • 小規模:月10〜30万円前後(一部業務のBPO)

  • 中規模:月30〜80万円前後(バックオフィス+CSなど複数業務)

  • 大規模:月100万円〜(プロセス全体のBPO、複数チーム体制)

※ 実際の費用は業務範囲・処理量・対応頻度・SLA(品質基準) によって大きく変動します。

まとめ:BPOサービスは「任せる範囲の見極め」と小さな開始がカギ

BPOサービスを効果的に導入するには、どこまでを外部に任せるかを明確にし、段階的に最適化していくことが重要です。

選定時に押さえるべきポイントは次の3つです。

  1. 委託範囲とSLA(品質基準)の明確化
    任せる業務と求める品質を定義することで、後の齟齬を防げます。
  2. 実績・得意領域の確認
    BPOサービス会社ごとに得意分野が異なるため、自社と相性のよいパートナー選びが重要です。
  3. コストと効果のバランスを見る
    内製との比較や、外部委託によるスピード・品質向上を踏まえ費用対効果で判断します。


BPOは全業務を丸ごと任せる仕組みではなく、必要な業務だけを段階的に委託できる柔さが強みです。小さく始め、成果を確認しながら範囲を広げることで、効率化メリットを最大化できます。

経営層にとっては「投資効果」、担当者にとっては「作業効率化」。この両面を満たすバランスが、長く機能するBPO活用の理想形です。

オンサイト株式会社は、実務BPOと運用設計の両方を支援しています。

BPOサービスは、適切に設計すれば業務効率化・コスト最適化・品質向上を同時に実現できる強力な選択肢です。「どの業務を任せるべきか」「どの体制が最適か」を判断するには専門的な視点が欠かせません。

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部分委託から体制最適化まで、どの段階からでもご相談いただけます。

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